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コーヒー|焙煎

焙煎で起きること

Roasting Science|読了7分|更新:2026年11月3日

コーヒーの焙煎では、生豆が熱で水分を失い、糖とアミノ酸の反応で色と香りが生まれ、酸が分解されていきます。途中で豆がはじける音をハゼと呼び、1回目(1ハゼ)は約196℃、2回目(2ハゼ)は約224℃で起こるとされます。

要点

早見表:焙煎の進み方
段階豆の温度の目安起きること
乾燥〜約165℃水分が抜け、緑から黄色へ
色づき約165℃〜メイラード反応とカラメル化で茶色に。香りが生まれる
1ハゼ約196℃内部の水蒸気と炭酸ガスの圧力で豆がはじける。ここから先が浅煎り〜中煎り
2ハゼ約224℃豆の組織がさらに壊れ、細かくはじける。表面に油がにじむ。ここから先が深煎り

1生豆の状態

コーヒーの生豆は、コーヒーノキの果実の種子です。緑がかった色で、水分を10%前後含み、焙煎による香ばしい香りはまだありません。生豆には、ショ糖、アミノ酸、クロロゲン酸などの酸、カフェインが含まれ、焙煎でこれらが変化して味と香りになります。

コーヒーの生豆
アラビカ種の生豆。焙煎前は緑がかった色をしている。画像:Wikimedia Commons「Coffea arabica 002.JPG」

2焙煎の段階

乾燥

熱を加えると、まず豆の水分が蒸発します。色は緑から黄色に変わり、草や穀物のような香りがします。

色づき:メイラード反応とカラメル化

メイラード反応は、糖とアミノ酸が熱で反応して褐色の物質(メラノイジン)と香りの成分をつくる反応で、パンの耳や焼いた肉の色と香りと同じ仕組みです。カラメル化は、糖そのものが熱で分解して褐色になり、甘く香ばしい香りを生む反応です。焙煎の香りの多くは、この2つから生まれます。

1ハゼと2ハゼ

焙煎中に豆がはじけて鳴る音を、日本ではハゼと呼びます。豆の中で水分が水蒸気になり、炭酸ガスも生まれて内部の圧力が高まり、約196℃で豆がはじけます。これが1ハゼです。さらに加熱を続けると、約224℃で豆の組織が壊れて細かくはじける2ハゼが起こり、表面に油がにじみ出てきます。焙煎する人は、ハゼの音と色を目安に煎り止める時点を決めます。

焙煎機の冷却槽で撹拌されるコーヒー豆
焙煎機から出したばかりの豆を冷ます工程。画像:Wikimedia Commons「Coffee roasting.jpg」

3重さと体積の変化

焙煎中、豆は主に水分を失い、重さが15〜18%ほど減ります。一方で、内部の水蒸気の圧力で、体積はおよそ2倍にふくらみます。深く煎るほど豆は軽く、もろくなります。

4酸と苦味

生豆にはクロロゲン酸が多く含まれます。焙煎が深くなるほどクロロゲン酸の分解が進み、全体として酸味は弱まっていきます。分解でできる成分の一部は苦味のもとになります。

焙煎が進むにつれて、酸は減り、苦味と香ばしさが増えます。酸味と果実のような風味は浅めの焙煎で出やすく、紅茶のような果実感を求めるならミディアムロースト前後が向きます。浅煎りの明るい酸は焙煎の設計で、古くなった豆の不快な酸っぱさとは別のものです。

5カフェインは変わるか

カフェインは焙煎の温度域ではほとんど分解されず、焙煎度で大きくは変わりません。豆1粒あたりのカフェインはほぼ同じです。

ただし、深煎りの豆は軽く、体積が大きくなっています。そのため重さで量ると、同じグラム数に入る粒の数が増え、深煎りのほうがやや多くなることがあります。スプーンで量ると、浅煎りのほうがやや多くなります。実際の一杯のカフェイン量は、淹れ方の影響のほうが大きいとされます。

6焙煎のあと

焙煎した豆は、内部にたまった炭酸ガスをしばらく放出し続けます。煎りたての豆にお湯を注ぐと粉がふくらむのは、このガスによるものです。ガスが抜け、空気に触れて酸化が進むと、香りが弱まり、不快な酸っぱさが出てきます。豆は密閉して光と熱を避けて保存し、早めに使い切るのが基本です。

家の一杯の味は、焙煎度・挽き目・湯温の3つでほぼ決まります。まず焙煎度を決めるのが順序です。

7よくある質問

ハゼとは?
焙煎中に豆がはじけて鳴る音です。1ハゼは約196℃、2ハゼは約224℃で起こるとされます。
焙煎で豆の重さはどれだけ減る?
主に水分が抜けて、15〜18%ほど減ります。体積はおよそ2倍になります。
深煎りのほうがカフェインが多い?
豆1粒あたりではほぼ同じです。重さで量ると深煎りのほうが粒数が増えてやや多く、スプーンで量ると浅煎りのほうがやや多くなります。
メイラード反応とは?
糖とアミノ酸が熱で反応して、褐色の物質と香りの成分をつくる反応です。
なぜ古い豆は酸っぱくなる?
焙煎後に香りの成分が抜け、酸化が進むためです。浅煎りの明るい酸とは別のものです。

8参考文献

  1. Coffee roasting(Wikipedia 英語版)
  2. Maillard reaction(Wikipedia 英語版)
  3. Caramelization(Wikipedia 英語版)
  4. Chlorogenic acid(Wikipedia 英語版)
  5. Caffeine(Wikipedia 英語版)

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